はじめに
高配当株投資をやっていると、だいたい一度は行きつくのが「米国株の高配当ETF」です。
VYM、HDV、SPYD、QYLD…。
ネットで調べると「米国ETFで配当生活!」なんて記事もよく出てきますよね。
実際、私も5年ほど前に米国ETFに手を出し、
今でもいくつか保有し続けています。
結論から言うと、米国高配当ETFはとても優秀だけど、“万能”ではないというのが率直な感想です。
今回は、米国高配当ETFの魅力と同時に、
実際に運用してきた中で感じた「使いにくさ」や「気づき」も正直に書いていきます。
米国高配当ETFの魅力|これは間違いなくある
まずは米国高配当ETFの良いところから。
とにかく手軽に分散投資ができる
たとえばVYMなら、数百社に一気に投資できて、手数料も格安。
一つ一つの銘柄を調べる手間もかからず、プロにお任せ感覚で運用できるのがありがたい。
個別株に不安がある人にとっては、安心して持てる資産になると思います。
増配の力がすごい
米国企業は「配当を増やす文化」が根付いているのも特徴。
連続増配している企業がゴロゴロありますし、ETF全体としても保有し続けることで分配金がじわじわ増えていくのが実感できます。
「何もしていないのに配当が増えてる」って、地味にうれしいんですよね。
成長もある
高配当ETFとはいえ、米国株の恩恵を受けて株価もある程度伸びることが多いです。
配当と値上がり益、両方を取りたい人には相性の良い選択肢かもしれません。
で、使いづらさって何なの?

ここからは、実際に使っていて気になったポイントです。
為替の壁がある
まず何と言っても「為替の影響」。
米国株の配当金はドルで入ってくるので、円に換えようとすると「円安・円高」のタイミングが気になってしまいます。
「今は換えたくないな…」と思ってるうちに放置してしまったり、
円建てでいくらもらってるのか感覚がつかみにくかったりします。
使う前提だと、これが意外とストレス。
円転の手間が地味にめんどい
配当を生活費に充てたいときは「円転(ドル→円への両替)」が必要。
証券口座内で換金して、出金して、銀行口座に振り替えて…というステップを踏まないと、実際の支払いには使えません。
しかも、為替手数料が地味にかかる。
ちょっとした話なんですが、「サクッと使いたい」と思った時にこの手間があるのは、やっぱりネックでした。
税金まわりがややこしい
米国株の配当には「米国で10%の税金+日本で20.315%の税金」がかかる、いわゆる二重課税という問題があります。
確定申告すれば「外国税額控除」である程度取り戻せますが、
手間がかかる上に、人によっては還付されないケースも。
NISAを使っていれば日本側の税金は非課税になりますが、米国分の10%は戻ってきません。
なので、米国ETFの配当は**額面よりも“手取りが少ない”**という印象があります。
米国ETFは「増やす」には向いてるけど「使う」には向きにくい
ここまで書いてきて整理すると、
米国高配当ETFは資産を育てるのに向いているけど、生活に組み込むのはちょっと使いにくいという感じです。
個人的には、「再投資したい人」「長期的に資産を増やしたい人」にはかなりおすすめできます。
でも、「配当金を日常生活に使いたい」という人には、日本株のほうが向いてる場面が多いと感じています。
米国ETFにも日本株にも、それぞれの良さがある

ここまで少し米国ETFのネガティブな面を挙げてきましたが、
決して否定してるわけではありません。むしろ、私は両方持っています。
- 米国ETFは「長期で増やす・守る」
- 日本株は「短期で使う・生活に組み込む」
この役割分担が自分の中でうまくはまった感覚があります。
今は日本株と米国ETFを両方持ちつつ、
それぞれの強みを活かすバランスで運用しています。
まとめ
米国高配当ETFは“万能”じゃないけど、良い武器になる
米国高配当ETFは、資産形成においてかなり優秀な選択肢です。
- 分散が簡単
- 増配力がある
- 放置でも育っていく
ただし、「生活費に使いたい」「現金として使いたい」という目的には、やや不向きな部分もある。
どちらが良い・悪いではなく、目的に合わせて使い分けることが大事だと思っています。
