はじめに
高配当株投資を5年ほどやってきて、今あらためて思うのは、
**「どちらか一方に偏らないほうが、精神的にも収支的にもバランスがいい」**ということ。
第1回で書いたように、配当金は“使う”ことにも価値がありますし、
第2回で紹介したように、米国ETFは“育てる”には抜群に優秀です。
今回は、そんな私がたどり着いた結論──
「日本株:米国株=4:6」という今の投資バランスと、その背景にある考え方をお伝えします。
日本株と米国株、それぞれの強みを整理してみる
まずはおさらいもかねて、配当金を使う・守るという視点で、両者を比較してみます。
観点 | 日本株 | 米国株(ETF中心) |
---|---|---|
為替リスク | なし | あり(ドル建て) |
配当金の使いやすさ | ◎(円でそのまま使える) | △(円転の手間・為替差あり) |
税制面 | 配当控除・NISAで有利 | NISA対象でも米国税10%は課税 |
増配の期待 | 一部企業で可能性あり | 高い(増配文化が根付いている) |
値上がり期待 | 銘柄による | 市場全体が右肩上がり傾向 |
管理のしやすさ | 比較的シンプル | 為替・税金まわりでやや複雑 |
こうして見ると、どちらも一長一短。
だからこそ、“目的別に使い分ける”という考え方がしっくりきます。
私の今の結論:「日本株:米国株=4:6」のバランスに落ち着いた理由
配当金をもらってすぐ使える日本株、
将来に向けてじっくり育てる米国ETF。
どちらも活かすために、今はだいたい日本株を4割、米国株を6割くらいの比率で持っています。
この比率にしている理由:
- 日本株:生活費の一部に充てやすく、実感が持てる
- 米国株:将来の資産形成・インフレ対応に強い
- 為替の偏りすぎを避けたい
- 精神的にも、円とドルで分散されてると安心感がある
この配分なら、日々の生活も少し楽になりつつ、将来への備えも積み上げられる。
私にとっては、このちょうど良いポートフォリオになっています。
配当金の役割を「使う」と「守る」に分けて考える
私が投資をする上で意識しているのが、
配当金は「使うお金」と「守るお金」、両方の側面があるという考え方です。
▶ 配当金を“使う”=今の生活を支える
- 光熱費や通信費に使う
- 子育てや家族サービスの費用に回す
- 「投資で生活がちょっと楽になる」実感が得られる
この役割を担うのが日本株。
円でそのまま受け取れるし、管理も簡単だから、家計に組み込みやすいです。
▶ 配当金を“守る”=将来の生活を支える
- 長期保有で増配を狙う
- 為替リスク込みでも伸びる可能性がある
- セミリタイアや老後資金として“積み立てていく”
この役割を担っているのが米国株(ETF)。
今すぐ使うというより、「育てる資産」として長い目で見ています。
FIRE・セミリタイアを目指す人へのアドバイス

FIREって、「経済的に自由になって、好きなことをして生きていく」ための手段ですよね。
そのためには「生活費をまかなう現金収入」が必要になるし、
同時に「将来も困らないような資産」も育てておきたい。
だから、私が実感しているのは、
配当金の“使いやすさ”と“育てやすさ”、どちらも備えておくことの大切さです。
日本株だけでも、米国株だけでも、ちょっと足りない。
どちらも取り入れることで、FIREやセミリタイア後の生活にも厚みが出てきます。
おすすめの組み合わせ例(あくまで一例)
目的別に分けると、こんなイメージになります:
目的 | 適した投資 | 理由 |
---|---|---|
毎月の生活費の一部にしたい | 日本株(高配当個別株) | 円で受け取れて即使える |
安定した配当を育てたい | 米国ETF(VYM・HDVなど) | 増配傾向が強く、長期保有に向いている |
分散と成長性を両立したい | 両方バランスよく持つ(4:6など) | リスクとリターンのバランスが良い |
比率に正解はありませんが、「配当金をどう使いたいか」で決めるのがポイントです。
まとめ|“どっちか”じゃなく、“どう組み合わせるか”が大事
高配当株投資には、日本株も米国株もそれぞれ魅力があります。
私自身は試行錯誤の末に、「両方持つ」ことが最適だと感じています。
- 今の生活をちょっと楽にする → 日本株
- 将来の安心を育てる → 米国株
それぞれに役割を持たせて、無理なく、継続できる形で運用していく。
その積み重ねが、FIREやセミリタイアを現実のものにしていくと思っています。
投資スタイルに正解はありません。
でも、もしあなたが「配当金で生活を少しでも豊かにしたい」と思っているなら、
ぜひこの“使う・守る”という視点を取り入れてみてください。

